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村上世彰という人と世間の人

 僕は村上世彰という人をとてもピュアな人だと受け止めています。
 完全に言行一致していると思うから信用できる人というカテゴリー。

 彼は随分前に十分お金を手に入れているし、お金を増やすのは自分のためではなくて、出資者のためでもあり、それから自分の影響力を強めることで(つまりたくさん株を買っていろいろな会社に自分の意見を言えるようになることで)たしかに彼の理想の実現を目指していたと思うのです。
 そんな方法をとる人がいままでいなかったから、理解されないだけなんだと思います。

 金に汚いヤツはよろしくない人間だ、金に汚いヤツが口にする理想は嘘っぱちだ、という人々が持ついわれのない先入観を打破できなかった。いや、打破しなくても資本のパワーで自分の思う世直しができるから、人にどう思われるかという、普通の人がすごく気にかけることを、捨ててしまったように思います。それも普通と違うので輪をかけて「恥知らずな金の亡者」という印象が強まったのかもしれません。

 彼の発言を詳細に見ていくと、「株主資本主義を健全に発展させることが日本のためなのだ」という考えかたで首尾一貫しています。まったくブレがない。つまり、彼は世直しの武器として資本の論理を使い、持ち株シェアという武器をなるべくたくさん手にして、その力で自分の考える「良い社会」を実現しようとした。
 武器を強力にするためには、資金を増やす必要があり、その資金を集めるには運用成績がよくなければならない。
 彼にとって、増えた金自体が目的ではなく、金を増やすのはあくまでも「世直し」という目的のための手段である、ということで、彼の言葉は一貫しています。

 普通に理解されている世直しというのは、政治とか、市民運動とか、言論とかいうアプローチをとるけれど、彼は、資本の論理というパワーでやろうとした。
 それはすごく独創的で、日本の歴史上、彼しかやったことがなかった。
 その結果、日本の社会はずいぶん変化してよくなった。海外から金融市場に資金が入ってきて、株価が上がり、景気も回復した。
 政治とか、市民運動とか、言論とかでは、こんな短い期間に為し得なかった社会変革をしたと思います。

 かなり多くの人が彼を金の亡者で卑しい人のように思っているように見える。
 けれど、自分が社会を変革できると思わない人には、多分、彼の世直し論は建前だけで本音は違うと感じられるのだろうし、彼のアプローチは理解できないのでしょう。
 自分に金さえ手に入ればあとはどうでもいいと思っていれば、彼のこともそういう人に見えるだろうと思う。

 人に嫌われるのを承知で、自分の力で世の中をよくするために動こう。
 そういう発想は並大抵のものではないですから、多くの人に理解不能なのはしかたがないことなのかもしれない。

 もちろん、「よい世の中」は人によって違うから、村上世彰と意見が違う人がいるのは自然なのだけれど、彼が日本社会を変えていくという発言をしているときに、その日本社会についての意見の対立でなく、「日本社会を変えていく」という彼の理想を「嘘っぱちで本音は金儲けがしたいだけだ」と断ずる人が多くいるのを見て、つまり、彼をバッシングする人こそが、ようするに理想の低いいやしい人なんじゃないだろうか、とふと思うわけです。

 もちろん、ライブドアがニッポン放送を買い進めると知ってしまった瞬間に買うのをやめなくてはならなかったのを、そうしなかったのは、あきらかにまずかったので、言い逃れのしようがないことです。
 まあ、多分、六本木ヒルズの中では秘密と日常会話の区別があまりなかったんだと思います。文化というか空気として。
 それが寝耳に水なら警戒したかもしれないけれど、もともと自分が提言していたことだから、頭にすとんと自然に受け入れてしまって、その瞬間に意図せずしてインサイダーになってしまったのだと自覚するタイミングを失ってしまったんでしょうか。
 いえ、そのあたりは想像でしかありません。

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コメント

トラックバックありがとう。
もしよろしければ、リンク貼ってもよろしいでしょうか?
インサイダー取引は、外国ではけっこう頻繁に行っているようです。まあ、村上氏はねたまれてちくられたと私は思っていますが・・・

ダニーさん、コメントありがとうございます。
もちろん、リンクはどうぞご自由に。

インサイダー取引をしてもいいということにはなりませんが、それとは別に、村上という人が、金だけのために活動しているのだとは、わたしには思えないのです。

このたびはトラックバックありがとうございます

僕は経済の事全くと言っていいほどの素人なのでインサイダー取引が何なのか正直分かりません
最近思うんですがよく村上さんを紹介する時マスコミは「物言う株主」という言葉を冒頭に持ってきますよね??
それって当たり前なんじゃないの??ってよく思います
当たり前のことだと思うのですが今までの日本では考えられなかったことなのでしょうか
よくも悪くもホリエモンが出てきた事によって企業は買収に対する防衛策を真剣に考えられるようになったと思います
もちろん彼らは罪を犯したのだから逮捕は当然でしょう
しかし罪の部分しか彼らは残してないのでしょうか??
もっと光の部分を当てる報道があってもいいと思いますね
長文失礼しました

henceさん>
インサイダー取引というのは、簡単に言えば、会社同士の内部取引ですね。よって、あそこの株があがるということを前提として買うので利益は確実にでます。だから、普通の一般の投資家にとっては非常に厳しくなるというわけです。村上さんなど投資家や企業家というのは、時代の先を行っています。よって、政治家など経済がわからない人たちが集まっていては景気はよくなりません。しかし、経済を知っている人は政治は知りません。まあ、このへんが難しいところだと思いますが・・・

 ええ、「物言う株主」って、当たり前のことだと思います。
 金は出しても口は出すな、はオカシイですし、口を出されなかったら、株を上場しないのが筋というものです。

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